保証人が払ったあと:求償権・事前求償・通知・共同保証

保証人が代わりに払ったあとに主たる債務者へ請求できる範囲は、委託の有無、払う時期、払う前後の通知によって変わります。条文を整理し、契約書に書ける求償の条項を示します。

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払う前に主たる債務者へ通知しないと、求償が制限されたり、二重払いになったりすることがあります。

このページの要点

  • 委託を受けた保証人は、払った額と弁済日以後の法定利息・避けられない費用を求償できる。約定利率で求償するには契約に定めが要る。
  • 弁済期の前に払ったときは、利益を受けた限度での求償で、行使できるのは弁済期以後。一定の事由があれば払う前に請求できる。
  • 払う前後の通知を怠ると、求償が制限される(民法463条)。契約書に通知の取り決めを置く。
  • 共同保証人どうしの求償は民法465条で整理する。求償権の放棄は範囲と効果を明確に書く。

結論:保証人が払うと求償権が生まれる。委託の有無・払う時期・通知で、取り戻せる額が変わる

保証人は、主たる債務者が払わないときに、代わりに払う責任を負います(民法446条1項)。保証人が実際に払ったあとは、払った分を主たる債務者に請求できるのが原則で、この権利を求償権といいます。ところが、求償できる範囲は一律ではありません。民法は、主たる債務者から保証を頼まれた(委託を受けた)保証人か、頼まれていない保証人か、主たる債務者の意思に反して保証した保証人か、によって求償できる範囲を分け、さらに弁済の時期(弁済期の前か後か)と、払う前後の通知の有無によっても、結論を変えています。

保証の契約書の多くは、債権者と保証人の関係だけを書き、保証人が払ったあとの主たる債務者との関係を書いていません。しかし、保証人が個人で、親族・知人・役員の立場にあるときほど、「払ったあとにどうなるのか」は保証人にとって大きな関心事です。債権者の側にとっても、保証人が納得して署名するための説明の材料になります。このページは、保証人が払ったあとの条文を整理し、契約書に何を書けるかを示します。

このページの要点

  • 委託を受けた保証人は、払った額(主たる債務の消滅額が上限)と、弁済日以後の法定利息・避けられない費用・損害賠償を求償できる(民法459条)。
  • 弁済期の前に払ったときは、主たる債務者がその当時利益を受けた限度で求償でき、行使できるのは弁済期以後(同法459条の2)。
  • 一定の事由があれば、払う前でもあらかじめ求償権を行使できる(事前の求償。同法460条)。
  • 払う前後の通知を怠ると、求償が制限されたり、相手の二重の弁済が有効とみなされたりする(同法463条)。
  • 共同保証人どうしの求償は、別の条文で扱う(同法465条)。弁済によって債権者に代位することもできる(同法499条・501条)。

保証人の責任の側の条文は、連帯保証の効力と保証する範囲と条件変更で整理しています。

保証人が払うと何が生じるか:求償権と、債権者の権利を引き継ぐ代位

保証人が払ったときに生じる権利は、二つあります。一つは、保証人が自分の権利として主たる債務者に請求する求償権です。もう一つは、弁済による代位です。債務者のために弁済をした者は、債権者に代位し(民法499条)、債権の効力および担保として債権者が有していた一切の権利を行使できます(同法501条1項)。保証人のように、弁済をするについて正当な利益を有する者は、債権譲渡の対抗要件の手続(467条)を取らずに代位できます(同法500条の括弧書)。ただし、代位して行使できる権利の範囲は、自分の権利に基づいて債務者に求償できる範囲内に限られます(同法501条2項)。

払ったあとに保証人が持つ二つの権利

権利性質範囲の考え方契約書での扱い
求償権(459条・459条の2・462条)保証人が自分の権利として、主たる債務者に請求する委託の有無・弁済の時期・通知の有無で範囲が変わる求償の範囲、通知、利息などを条項に書ける
弁済による代位(499条・501条)債権者が持っていた債権と担保を、保証人が引き継ぐ求償できる範囲内でのみ行使できる(501条2項)債権者が担保の証書を保証人に引き渡す義務などを、必要に応じて書く

求償権も債権ですから、民法166条の消滅時効にかかります。時効の起算は、保証人が弁済などの債務の消滅行為をしたときから考えるのが基本ですので、払ったあとに、いつまでに請求するかを意識しておきます。

委託を受けた保証人の求償権:範囲と利息

主たる債務者の委託を受けて保証をした保証人が、主たる債務者に代わって弁済などの債務の消滅行為をしたときは、そのために支出した財産の額(それが消滅した主たる債務の額を超える場合は、その消滅した額)の求償権を有します(民法459条1項)。たとえば、保証人が別の財産を給付して債務を消滅させ、その財産の価値が消滅した債務の額を超えていても、請求できるのは消滅した債務の額までです。

求償は、弁済その他免責があった日以後の法定利息と、避けることができなかった費用その他の損害の賠償を含みます(民法459条2項が442条2項を準用)。つまり、払った日から、主たる債務者が返すまでの利息も請求できます。ここでの利息は法定利息であり、契約で約定した利率の利息を当然に請求できるという意味ではありません。約定利率で求償したいときは、契約で定めておく必要があります。

委託を受けた保証人の求償(民法)

  • 459条1項
    求償できる額支出した財産の額(消滅した主たる債務の額が上限)の求償権。
  • 459条2項
    利息・費用・損害弁済日以後の法定利息、避けることができなかった費用その他の損害賠償を含む(442条2項の準用)。
  • 459条の2
    弁済期前の弁済主たる債務者がその当時利益を受けた限度。行使は弁済期以後。
  • 460条
    事前の求償破産・弁済期到来・裁判の言渡しなどの事由があるとき、あらかじめ求償権を行使できる。
  • 463条
    通知を怠った場合事前の通知を怠ると、主たる債務者が債権者に対抗できた事由を、保証人に対抗できる。

「民法」の条文です。委託を受けない保証人は462条で別に扱われます。

弁済期の前に払ったとき、払う前に請求できるとき

弁済期の前に払ったとき(459条の2)

委託を受けた保証人が、主たる債務の弁済期の前に債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者に対して、主たる債務者がその当時利益を受けた限度で求償権を有します(民法459条の2第1項)。主たる債務者が、消滅行為の日以前に相殺の原因を有していたと主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求できます。求償権は、主たる債務の弁済期以後でなければ行使できません(同条3項)。弁済期より前に払っても、主たる債務者にはまだ返す時期が来ていないため、その時期まで請求を待つ、という整理です。

払う前にあらかじめ請求できるとき(460条)

委託を受けた保証人は、次の場合には、主たる債務者に対して、あらかじめ求償権を行使できます(民法460条)。

事前の求償ができる三つの場合

  • 主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき(460条1号)。
  • 債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に与えた期限は、保証人に対抗できない(460条2号)。
  • 保証人が過失なく、債権者に弁済すべき旨の裁判の言渡しを受けたとき(460条3号)。

事前の求償があったときは、主たる債務者は、債権者が全部の弁済を受けない間は、保証人に担保を供させ、または保証人に対して自己に免責を得させることを請求できます(民法461条1項)。主たる債務者は、供託をし、担保を供し、または保証人に免責を得させて、償還の義務を免れることができます(同条2項)。保証人が早めに請求しておけば、払う前に主たる債務者から担保を取れる場合もある、ということです。ただし、委託を受けない保証人には、この事前の求償の規定は準用されていません(民法462条の定め方を参照)。

通知を怠ったとき:払う前後の通知が求償を左右する

主たる債務者と保証人が、互いに知らないうちに二重に払ってしまう事態を避けるため、民法463条は、通知を怠った場合の制限を定めています。

保証人が払うときの通知

1払う前保証人は、主たる債務者に、払うことをあらかじめ通知する。
2払う通知なしに払うと、主たる債務者は、債権者に対抗できた事由を保証人に対抗できる(463条1項)。
3払った後保証人が払った旨を主たる債務者に通知しないと、主たる債務者が善意で二重に払ったとき、その弁済を有効とみなせる(463条3項)。

主たる債務者の側にも通知の義務があります。主たる債務者が払ったことを保証人に通知せず、保証人が善意で払ったときは、保証人は自分の弁済を有効とみなせます(463条2項)。

463条1項は、保証人が主たる債務者に事前に通知しないで債務の消滅行為をしたとき、主たる債務者は、債権者に対抗できた事由(たとえば、主たる債務者が債権者に対して持っていた相殺の主張)を保証人に対抗できると定めています。相殺を対抗されたときは、保証人は、債権者に対し、相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求できます。

実務の書き方としては、契約書に「保証人は、保証債務を履行するときは、事前に主たる債務者に通知する」「主たる債務者は、債権者に弁済したときは、直ちに保証人に通知する」と書いておくと、通知を怠って求償が制限される事態を防げます。463条が定めるのは主たる債務者と保証人の間の通知であり、債権者に通知の義務を課すものではありません。もっとも、主たる債務者が弁済した事実を債権者が知っているときに、債権者が保証人に伝える運用は、保証人の不測の二重払いを防ぐ助けになります。

委託を受けない保証人と、主たる債務者の意思に反する保証人

主たる債務者に頼まれずに保証をした人(委託を受けない保証人)が債務の消滅行為をしたときは、民法459条の2第1項が準用され、主たる債務者がその当時利益を受けた限度で求償権を有します(民法462条1項)。主たる債務者の意思に反して保証をした人は、主たる債務者が現に利益を受けている限度でのみ求償権を有します(同条2項)。この場合、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたと主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求できます。

確認の問いと理由委託の有無を確かめる理由

  1. 保証は主たる債務者からの依頼だったか。

    委託を受けた保証人か否かで、求償の範囲(支出額か、利益を受けた限度か)が変わる(459条と462条)。

  2. 依頼の事実を、書面に残しているか。

    委託の有無が争いになったとき、依頼を示す書面の有無が手がかりになる。保証委託の条項を、保証契約と並べて書くと整理しやすい。

  3. 主たる債務者の意思に反する保証になっていないか。

    意思に反する保証人は、現に利益を受けている限度でしか求償できない(462条2項)。

共同保証人の求償:複数の保証人がいるとき

保証人が複数いる場合、保証人どうしの負担には、別の定めがあります。通常の保証で数人の保証人があるときは、民法456条により、各保証人は427条の規定が適用され、別段の意思表示がないかぎり等しい割合で債務を負担します。これを分別の利益といいます。ただし、連帯保証人が分別の利益を持つかどうかは、条文の文言だけからは答えが出ないため、契約書に各保証人が全額を負う旨を明記しておきます。連帯保証のしくみは連帯保証の効力で扱っています。

共同保証人間の求償について、民法465条は二つの場合を分けています。

共同保証人間の求償(民法465条)

  • 465条1項
    全額弁済の義務があるとき主たる債務が不可分であるため、または各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるために、全額または自己の負担部分を超える額を弁済した保証人は、442条から444条までの規定(連帯債務者間の求償)に従って、他の保証人に求償できる。
  • 465条2項
    互いに連帯しない保証人1項の場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額または自己の負担部分を超える額を弁済したときは、462条の規定が準用される。

連帯債務者間の求償は、負担部分に応じた額(442条1項)で、資力のない者がいるときは他の者が負担部分に応じて分担します(444条)。

共同保証人間の求償は、保証人の中で「誰がいくらを負担するのか」を、保証人が署名する時点で決めておくと、あとの争いを減らせます。複数の保証人を立てる契約書では、負担部分の割合を保証人間の取り決めとして別に書くか、各保証人に説明して理解を得ておきます。なお、連帯債務者または不可分債務者の一人のために保証をした人は、他の債務者に対して、その負担部分のみについて求償権を有します(民法464条)。

契約書にどう書くか:求償条項と、求償権の保証・放棄

求償権の条項は、保証契約そのものの有効性とは別の話ですが、保証人が納得して署名するためには欠かせない説明です。契約書に書ける内容を、次の条項の例に整理します。

書き方の例保証人が払ったあとの求償に関する条項の例

  1. 保証人が、債権者に対し保証債務を履行したときは、主たる債務者は、保証人に対し、履行した額、およびその履行の日以後の年○%の割合による遅延損害金ならびに避けることができなかった費用を支払う。
  2. 保証人は、債権者に保証債務を履行しようとするときは、あらかじめ主たる債務者に通知する。
  3. 主たる債務者は、債権者に弁済その他の債務を消滅させる行為をしたときは、直ちに保証人にその旨を通知する。
  4. 保証人は、民法460条に定める事由が生じたときは、あらかじめ主たる債務者に対し求償権を行使することができる。

一般的な書き方の例です。金額・利率は○としており、特定の契約の引用ではありません。第1項の約定利率は、法定利息を超えて求償する場合に契約で定めておく必要がある部分です。

契約書には、「保証人は、主たる債務者に対する求償権を放棄する」と書く例も見られます。民法は契約の内容を自由に決定できると定めている(521条2項)ため、当事者の合意として求償権を放棄すること自体は、直ちに排除されません。ただし、求償権を放棄すると、保証人は払った分を取り戻せなくなる可能性があります。署名する保証人にとっては重大な負担ですので、放棄の範囲(すべての求償か、事前求償だけか)、放棄の効果、放棄を理解して署名したことが、書面から読み取れるようにしておくことが大切です。

書き方の例(一般的な例) 求償に関する条項の書き方

求償権の放棄

よくある書き方保証人は、主たる債務者に対する一切の権利を放棄する。
整えた書き方保証人は、事前求償(民法460条)を行わない。保証債務を履行した後の求償権は、本契約により放棄しない。

理由放棄の範囲を明確にする。一括の放棄は、保証人が負担の大きさを理解したうえで署名したかが問題になりやすい。

通知

よくある書き方(求償の定めなし)
整えた書き方保証人は、履行前にあらかじめ主たる債務者に通知し、履行後も遅滞なく通知する。

理由通知を怠ると、求償が制限されたり、二重の弁済が有効とみなされる(民法463条)。

求償の範囲

よくある書き方保証人は主たる債務者に請求できる。
整えた書き方履行した額、履行日以後の利息(約定利率または法定利率)、避けることができなかった費用を請求できる。

理由法定利息を超える利率で求償するには、契約に定めがなければならない。

求償権そのものを個人が保証する契約についても、特別の規定があります。保証人が法人である根保証契約で、極度額の定めがないときは、その根保証の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約は、効力を生じません(民法465条の5第1項)。また、事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証の保証人の求償権を保証する契約には、公正証書による保証意思の確認の規定が準用されます(同法465条の8第1項)。いずれも、法人が保証人になる保証(保証会社の保証など)と、その求償権を個人が保証する形で重ねられる場面で問題になります。法人が求償権の保証をする場合は、これらの規定は適用されません(同法465条の5第3項、465条の8第2項)。

払う前に保証人が確かめること

求償権は、払った後に主たる債務者が返してくれるかどうかに左右されます。主たる債務者に資力がなければ、求償権があっても実際に取り戻せないことがあります。保証人は、払う前に、次のことを確かめておくと、後の争いを小さくできます。まず、請求された額が、元本・利息・違約金などの内訳で示されているかどうかです。委託を受けた保証人は、債権者に対し、主たる債務の履行状況に関する情報の提供を請求できます(民法458条の2)。つぎに、請求された額が、極度額の範囲に収まっているかどうかです。極度額を超える部分は、保証人に請求できません(同法465条の2第1項)。さらに、主たる債務について時効の完成が考えられないかどうかも確かめます(同法166条、145条)。

一部だけを払う場合は、弁済による代位にも注意が要ります。債権の一部について代位弁済があったときは、代位者は、債権者の同意を得て、その弁済をした価額に応じて、債権者とともにその権利を行使できます(民法502条1項)。この場合でも、債権者は単独でその権利を行使でき(同条2項)、担保の売却代金などは債権者が優先します(同条3項)。債務不履行による契約の解除は、債権者だけができます(同条4項)。一部を払った保証人が、債権者の担保を使って回収しようとするときは、債権者との関係の整理が別に必要になります。保証人が主たる債務者の情報を事前に受けていたかどうかは、保証人への情報提供義務で整理しています。保証人の側の事情の変化は、保証人の変更・差替え・解除で扱っています。

場面別:求償に関して起きがちなことと整え方

賃貸借の連帯保証人が代わりに払った

起きがちなこと借主に請求しようとして、求償できる範囲や利息の根拠が分からない。
整え方委託を受けた保証人として、払った額と弁済日以後の法定利息、避けられない費用を請求できる。通知の条項を契約に入れておく。

取引先の債務を代表者が保証して払った

起きがちなこと払う前に会社へ連絡せず、会社も債権者に支払って二重払いになる。
整え方払う前と払った後の通知を取り決め、二重払いの扱い(463条)を意識する。

複数の保証人のうち一人が全額を払った

起きがちなこと他の保証人にいくら請求できるのか、負担部分の割合が分からない。
整え方保証人間の負担割合を事前に取り決めておく。請求は465条に従って整理する。

保証会社の保証に個人がさらに保証をつけた

起きがちなこと求償権の保証が、書面・極度額・公正証書の規律を満たしていない。
整え方求償権の保証にも465条の5・465条の8の規律がある。個人が保証人になる場合は、これらを確認する。

求償の場面で起きがちなこと

  • 保証契約書に、保証人が払ったあとの主たる債務者との関係が一切書かれていない。
  • 払う前に主たる債務者へ通知せず、求償が制限される(または二重払いになる)。
  • 求償の利息は約定利率でもらえると思っていたが、契約に定めがなく、法定利息にとどまる。
  • 弁済期の前に払ったが、求償権を行使できる時期は弁済期以後であることを知らなかった。
  • 求償権の放棄を、範囲も効果も説明のないまま、保証人が署名してしまう。

よくあるご質問

保証人が払った場合、主たる債務者に全額を請求できますか。

主たる債務者の委託を受けて保証をした場合は、支出した財産の額(消滅した主たる債務の額が上限)と、弁済日以後の法定利息、避けることができなかった費用その他の損害賠償を請求できます(民法459条)。委託を受けていない場合は、主たる債務者が利益を受けた限度などに制限されます(同法462条)。

払う前に、主たる債務者に請求することはできますか。

委託を受けた保証人は、主たる債務者が破産手続開始の決定を受け債権者が配当に加入しないとき、債務が弁済期にあるとき、保証人が過失なく弁済すべき旨の裁判の言渡しを受けたときには、あらかじめ求償権を行使できます(民法460条)。委託を受けない保証人には、この規定の対象外です。

払うことを主たる債務者に知らせなかったら、どうなりますか。

委託を受けた保証人が、主たる債務者にあらかじめ通知しないで払ったときは、主たる債務者は、債権者に対抗できた事由を保証人に対抗できます(民法463条1項)。払った後の通知を怠り、主たる債務者が善意で二重に払ったときは、主たる債務者の弁済が有効とみなされる場合もあります(同条3項)。

保証人が複数いて、一人が全額を払ったら、他の保証人に請求できますか。

各保証人が全額を弁済すべき旨の特約がある場合などは、他の保証人に、負担部分に応じた額を求償できます(民法465条1項、442条から444条)。互いに連帯しない保証人の一人が負担部分を超えて払ったときは、462条が準用されます(同条2項)。負担部分の割合は、あらかじめ決めておくのが安全です。

契約書に「求償権を放棄する」と書くことはできますか。

契約の内容は法令の制限内で自由に決められるため(民法521条2項)、書くこと自体は直ちに排除されません。ただし、保証人の負担が大きく、署名した人が意味を理解していたかが問題になりやすいので、放棄の範囲と効果を明確に書き、保証人に説明しておく必要があります。

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本ページは一般的な情報提供です。個別の保証契約への当てはめは、契約書の文言、主たる債務の内容、当事者の事情によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や取引を示すものではありません。条文は e-Gov 法令検索(法令API)で確認した現行のものに基づき、まだ施行されていない改正は現行の内容として扱っていません。判例や所管官庁の資料は、原文を確認できたものだけを取り上げています。参考: e-Gov法令検索 / 法務省 / 国土交通省 / 金融庁

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